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エンターテインメント

黒宮あやとは?BRATSのベーシストとしての軌跡と素顔に迫る

By Christopher Martinez

日本の音楽シーンで独自のポジションを切り開いてきたアーティストの話をするとき、黒宮あやという名前は外せない。ジュニアアイドルとしてデビューし、そこからロックバンドのベーシストへと大きく舵を切った彼女のキャリアは、単純な「転向」では語り切れないほど複雑で、それでいて一本の筋が通っている。

黒宮あや BRATSベーシスト

黒宮あや、基本プロフィール

黒宮あや(くろみや あや)は1998年11月28日生まれ、埼玉県出身の日本のミュージシャンであり、元ジュニアアイドルだ。読み方は「くろみやあや」。芸能界では長らく「あや」という短い名義で知られていたが、活動が軌道に乗るにつれてフルネームに変わっていった。

血液型はO型で、趣味はピック集め、特技はベースと何時間でも寝られることとして知られている。ベーシストの「趣味がピック集め」というのは、ミュージシャンとして筋が通ったエピソードだ。ただそれ以上に、「何時間でも寝られる」という自己申告が、どこかおおらかな人柄を想像させる。

デビューはジュニアアイドルとして。名前が変わった経緯

デビュー当初は姓の付かない「あや」名義で活動していたが、途中から「黒宮あや」名義となった。芸能界でフルネームを使い始めるタイミングというのは、多くの場合アーティストとしての自覚が高まる時期と重なる。黒宮あやにとっても、その改名は単なる名前の変更ではなく、アイデンティティの再確立に近いものだったかもしれない。

いもうとシスターズの元メンバーで関東1期生として、アイドル活動をスタートさせた。いもうとシスターズは当時の若手アイドルシーンで注目されたグループで、黒宮あやはその先駆けともいえる存在として、関東エリアのファンに愛されていた。

黒宮あや ジュニアアイドル時代

BRATSの結成。アイドルからロックへ

黒宮あやのキャリアで最も大きな転換点は、間違いなくBRATSの結成だ。2011年7月、当時同じ事務所に所属していた黒宮れい、後藤聖良、まりあと共にガールズバンド「BRATS」を結成し、ベースを担当する。アイドルとして活動していた4人が自らバンドを立ち上げ、ロックという全く違うフィールドに踏み込んだのだ。

BRATSは3ピースオルタナティブロックバンドとして知られ、黒宮あやはベース担当として、いわゆる「黒宮姉妹の姉」としてもファンから親しまれている。オルタナティブロックというジャンルは、メインストリームとは少し距離を置く、鋭いサウンドと独自の世界観が持ち味だ。キャッチーなアイドルソングとは対極に位置するこのスタイルを選んだことが、BRATSの個性を際立たせている。

バンドの名称「BRATS」は英語で「やんちゃな子ども」を意味する。可愛らしくも反骨心のあるこのネーミングは、彼女たちの音楽性と見事に呼応している。黒宮あやがベースラインで支えるサウンドは、バンド全体のグルーヴを底から押し上げる重要な役割を担っている。

黒宮姉妹という特別な関係性

黒宮あやを語るとき、妹の黒宮れいの存在は切り離せない。黒宮れいは2000年11月29日生まれ、埼玉県出身の女性アイドル・歌手・ミュージシャンであり、BRATSではヴォーカル&ギターを担当している。姉があや、妹がれい。同じグループに所属し、同じバンドで活動し続ける姉妹というのは、日本のガールズバンド史の中でもかなり珍しいケースだ。

黒宮れいはBRATSの活動と並行し、2014年にミスiD2015で準グランプリに相当する賞を受賞するなど、ソロとしても注目を集めた。妹が個人としての知名度を高める一方、黒宮あやはバンドのベーシストとしての存在感を着実に積み上げていった。それぞれが異なる形で輝き、ふたりが揃ったときにBRATSというバンドの核が完成する。

BRATSガールズバンドライブ

BRATSの音楽活動とリリース履歴

BRATSとしての活動は、単発のライブや配信リリースにとどまらない。BRATSは8カ月連続デジタルリリースを完結させ、その集大成として2ndアルバムを新レーベルより発売するなど、コンスタントに作品を世に送り出してきた。バンドとしての本気度が、この継続的なリリース姿勢に如実に表れている。

再開したライブ音源をデジタルリリースする第1弾として「Karma THE LIVE」の発売も決定しており、ライブバンドとしての側面も積極的に発信している。スタジオ録音とライブ音源、両軸でファンにアプローチするこのスタイルは、バンドが自分たちのサウンドに確かな自信を持っている証拠でもある。

黒宮あやのベースプレイは、BRATSのライブで特に力を発揮する。重心の低いリフを刻みながら、バンド全体のテンポをコントロールするその役割は、派手に見えなくても欠かせないもの。ロックバンドにとってベースがいかに重要か、彼女の存在がそれをはっきりと示している。

アイドル時代のディスコグラフィー

バンド活動に移行する以前、黒宮あやは複数の映像・音楽作品をリリースしていた。「Drop Attractive 06 AYA」(2009年9月15日)、「Drop Attractive 08 AYA」(2009年9月30日)、「ふわふわ時間」(2009年10月10日)、「ゆびきりげんまん!」(2009年11月25日)、「たっぷり あや」(2010年1月25日)などの作品を残している。2009年から2010年にかけて集中的にリリースされたこれらの作品は、当時の彼女がいかに精力的に活動していたかを物語っている。

ジュニアアイドルとしてのキャリアは、のちのミュージシャンとしての活動の土台となった。カメラの前で自分を表現する経験は、ステージに立つパフォーマーとしての感覚を育てる。黒宮あやがベーシストとして堂々と舞台に立てるのも、こうした積み重ねがあってこそだ。

黒宮あやとBRATSを取り巻く音楽シーン

日本のガールズバンドシーンは、ここ数年で急速に多様化している。BiSHやBandjanaimon!など、従来のアイドルとロックの境界線を意図的に崩すグループが次々と登場した。BRATSはそのさらに先駆け的な存在として、アイドルとバンドの二項対立を早い段階から問い直してきたグループだといえる。

黒宮あやはその流れの中で、ベーシストという縁の下の力持ちを選んだ。ヴォーカルや華やかなフロントマンに目が集まりがちなバンドの中で、あえて低音で土台を支えるポジションを担い続けている姿は、音楽への誠実さを感じさせる。

日本ガールズバンドオルタナティブロックシーン

SNSとファンとの繋がり

黒宮あやはTwitter(現X)のアカウント「@Aya_brats」を通じてファンと交流を続けてきた。ライブ後には「久しぶりのライブで色々あったけど楽しかった」「新曲も披露できたし、やっぱバンドたのしいね!!」といった生の言葉を発信し、パフォーマーとしての喜びを率直に伝えている。飾らないその発言スタイルが、ファンとの距離感をちょうどよく保っている。

SNSでの発信は、現代のアーティストにとってリリースやライブ以上に重要なコミュニケーションの場だ。黒宮あやのそれは、過剰に演出されたものではなく、ライブや音楽に対する率直な感情が滲み出るもの。長年のファンが離れない理由のひとつがここにある。

黒宮あやが示したもの、これからの活動への期待

ジュニアアイドルからスタートし、ガールズバンドのベーシストへと進化した黒宮あやの軌跡は、日本の芸能界においてひとつの参照点となっている。アイドルというキャリアを「卒業」するのではなく、そこで培った経験を土台にしながら、音楽家として深化していくという道筋は、若いアーティストにとっても示唆に富む。

BRATSとして積み上げてきたディスコグラフィー、ライブでの存在感、妹・黒宮れいとのコンビネーション。これらすべてが、黒宮あやというアーティストの厚みを形成している。まだ20代のミュージシャンとして、彼女の活動はまさにこれからが本番だ。低音の弦を弾き続けるその手が、これからどんな音楽を奏でるのか、注目は尽きない。